屈輪文 三足卓 

Tri-legged Table 'Guri' / 14-16C     鎌倉市指定文化財(2019年指定)


館蔵品の中で最も古い作品。円形で三脚の猫足をもつ仏具であり、胴側面の文様部分のみ朱をのせ、あとは黒塗り。持ち送りの部分は、円覚寺や建長寺所蔵の前机と共通した作風が指摘されており、中国的な雰囲気をもつ形状をしている。屈輪文は、もともと宋元時代の彫漆器(漆を何度も塗り重ねて彫刻した漆器)にさかんに用いられた。連続した渦巻き文様が規則正しく配置されている初期の作例に対し、本品の屈輪文様は唐草に近い。大小の渦巻がリズミカルに側面を一周し、泉涌寺所蔵の大香合や円覚寺所蔵の払子と同様のパターンに分類される。

 

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